川のイメージ/おそれ
2024
木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠
1500×2000mm

父方の祖母の家がある高知県の江川崎というところでは、お盆になると河原で火を焚いて先祖の霊を迎えていた。川は霊が通る道のようになっていると思っていた。お盆の時期に川で泳ぎたいと言うと祖母や親戚から「連れて行かれるけん泳がれん」という言葉が返ってくる。水底からこちらに手を伸ばしてくる何かがいるような気がして怖かった。


川のかたち/旧中川
2025
木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠
910×226mm

名前に「旧・古・元」と付く川の多くは河川の付け替えや治水工事など人の手によって本来の流路から切り離されてしまった川で、東京にある旧中川も荒川放水路の開削によって分断された中川の切れ端部分にあたる川だ。現在の東京の川は人間の手で形が整えられたものが多く、地図を見ると絵のように見えてくる。


ダブンコの河太郎
2025
木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠
1900×3000mm

吉野に伝わる河童の話。蔵王堂から西側へ長い階段を降りたところに脳天大神龍王院という金峯山寺の塔頭がある。この辺りを左曽川という小川が流れていて、脳天大神の近くにはダブンコと呼ばれる特に水が冷たい淵がある。ダブンコには河太郎(がたろう)がいて、人のような姿でおいでおいでと手招きする。その手で背中を叩かれると吸盤のように吸い付いて、尻から手を突っ込まれて血を抜かれるらしい。



2024
木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠
530×455mm

木津川の河原に生えている草。電車の窓から見える好きな景色のひとつだ。


夢の橋
2024
木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠
530×455mm

徳島県吉野川の美濃田の淵というところに古い橋脚がポツンと取り残されている。昔この付近は川を渡るための手段が渡し船しかなく、増水時には往来できなくなることもあった。この橋の開通は地域住民の悲願でありながら、完成することのないまま橋脚だけが残されている。橋になれなかった橋のあと。


川のイメージ/四万十川
2024
木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠
1500×3000mm

幼い頃から親しんできた故郷の四万十川の絵を描いた。山間を蛇行する川のかたち。歩くとゴロゴロと鳴る河原の石。車の窓から見える山々。流れる水の速さ、冷たさ。季節の変化。


おいてけ
2025
木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠
1167×910mm

本所七不思議のひとつに「置行堀」という話がある。ある時お堀で釣りをしている人がいた。その日は魚がたくさん釣れて、揚々と家に帰ろうとするとどこからともなく「おいてけ、おいてけ」という声がする。恐ろしくなって急いで家に帰りかごを覗くと、釣ったはずの魚が一匹も入っていなかった。「おいてけぼり」という言葉の語源とも言われる有名な怪談で、たくさんの類型がある。おいてけという声の主が河童だという説があって、錦糸町には河童の像が設置されている。


いつかのリバーサイド 2006–2025
2026
映像
6 分 44 秒

これまでに訪れた日本各地の川の写真をまとめたスライド映像。川の字と同じになるように111枚の写真を選んだ。