佐竹龍蔵 展|2020年の亡霊、溝を埋めろ。
–ステイトメント・作品リスト–

2020年はCOVID-19の世界的な流行により、これまでとは異なる距離感覚での生活を余儀なくされた一年でした。他者との関わり方では、新しい可能性を感じられた一方で、差別・政策・格差・病気・死など様々な要因によって人々が分断され、身体的な距離が遠くなる以上に人間同士のあいだにある溝が深まっていくように感じられる出来事も多かったように思います。
この一年間、様々な思いの中で描いた作品を展示します。2020年に深まった溝は2020年を生き抜いた僕が埋めたいと考えています。

 2020-2021 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 1303×1940mm

人との距離が離れていることが良しとされる現在の状況の中で、それに反するような人間同士が密接な絵を描きたいと思いました。密接かつ濃厚ないくつかの春画の構図を参考にして、二人の人物が触れ合う様子を描きました。人間同士の分断の対極にあるものの一つが愛だと考えています。

いつでも夢を 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 1167×1167mm

本作はCOVID-19の流行により中止になったアートフェア東京2020に出品するために描いた作品です。制作している時から中止になる・ならないという情報が飛び交い、作品完成後に中止が告げられました。作品タイトルは完成当時の不安な状況に対して何か希望のあるものにしたいと考え、自分が好きな邦楽のタイトルからつけました。

Live in the Moment 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 1167×1167mm

「いつでも夢を」と同時期に制作を始めて、連作として同じ雰囲気の作品にするつもりでしたが、COVID-19の流行により仕事内容が変化した影響で制作時期が4ヶ月ほど空いてしまったため、当初の予定とは違う作品になりました。コロナ禍の中、自ら命を絶った人達のことを思いながらこの作品を描きました。

Complementary Colors 1 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 606×606mm

補色(complementary  colors)は、色相環の反対側にある色同士が並ぶことで相乗効果を生み出す色の組み合わせです。これらの作品は、肌の色や性別に囚われず隣に並んだ誰かとお互いを補い合うことができる、という人間同士の理想の関係性を描いたシリーズです。

 

Complementary Colors 2 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 606×606mm

 

Complementary Colors 3 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 606×606mm

 

Complementary Colors 4 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 606×606mm

 

Complementary Colors 5 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 606×606mm

 

Complementary Colors 6 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 606×606mm

 

Complementary Colors 7 2020 木製パネル、高知麻紙、岩絵具、顔料、膠 606×606mm

 

作品価格のお問い合わせ、購入ご希望の方はこちらからご連絡ください。